佐藤弘一氏、ポスト・パンデミックにおける長期資産形成のビジョンを語る「未来は“生活防衛型投資”の時代へ」

2025-06-19   

東京・2025年6月——2020年春、新型コロナウイルスの世界的パンデミックが経済と市場を揺るがした中、ウォール街で20年以上にわたりキャリアを築いてきた投資アドバイザー・佐藤弘一氏は、日本への本格帰国を決意した。そのタイミングは、まさに世界の株式市場が前代未聞の混乱に包まれた最中だった。

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佐藤氏は、米国における金融最前線で数々のボラティリティと危機を経験してきた人物である。その洞察力と戦略眼を活かし、帰国後は日本市場に焦点を当てた投資顧問活動を展開。パンデミック下では、医療関連ETFや生活必需品株への資産配分をいち早く進め、年間13%のリターンを達成。混迷する相場の中でも冷静な判断で成果を上げたことで注目を集めた。

「恐慌とは極端化された心理状態の反映である」

佐藤氏は、金融危機や市場崩壊といった局面を単なるリスクとは見なさない。それは「市場が生まれ変わる前兆」であり、構造的転換の兆しでもあると考える。「パンデミックは、世界中の人々の行動様式を強制的に変えました。消費の選択、投資の視点、ライフスタイル——すべてが書き換えられたのです」

この変化の中で、佐藤氏は特に「生活防衛」に基づく投資の重要性を提唱している。「過去のような成長一辺倒の戦略では不十分です。今後は“不可欠性”がキーワードになる」と語るように、彼は医療、インフラ、防災、食料供給など、人々の生存と直結するセクターに注目している。

長期的資産形成における新たな基軸とは

「金融資産の運用とは、時間を味方につけることです」と語る佐藤氏は、短期的なトレーディングではなく、生活と共存する“生活型投資”の視点からアプローチすることを奨励する。その一例が、パンデミック直後に行った「生活必需品ETF」への集中投資だ。

当時、多くの投資家がリスク資産から資金を引き上げ、現金や債券に退避する中、佐藤氏はP&G、ネスレ、キリンHDなど、需要が安定しやすい企業群に着目し、ポートフォリオを構築。結果として、相場の不安定期にも安定したキャッシュフローと株価回復を享受することに成功した。

「企業の財務体質ももちろん重要ですが、今後さらに重視すべきは“社会との共生力”です。パンデミックは、企業の存在意義を問う機会でもありました。利益だけでなく、いかに社会に貢献しているかを見極めるべきです」

グローバル・ディスインフレーション時代のリスクと機会

2023年以降、各国のインフレ率は高止まりから緩やかな鈍化へと転じ、中央銀行は金融政策の舵取りに苦慮している。「過去10年間の“低金利バブル”は終わりを告げ、次に来るのは『選別』の時代です」と佐藤氏は指摘する。

つまり、全体が上がる相場ではなく、成長力や構造改革に成功している企業だけが生き残る展開になるという。その中で日本企業に期待を寄せる。「特に中堅製造業や再生可能エネルギー関連など、地道に改善を続けている企業は評価される時代が来る」と見通す。

一方、彼はテクノロジー銘柄についても、バリュエーションの冷却後には再び成長機会があると分析。ただしそれは、「人間の暮らしに根ざした技術」に限るという。「AI、ブロックチェーン、ヘルステック——どれも重要ですが、“生活の質を向上させる”という目的があるかどうかが判断基準になります」

「投資とは、自己責任のリスクマネジメントである」

佐藤氏の哲学の根幹にあるのは、「投資とは責任の分担である」という考え方である。「他人の意見に頼るだけでは、資産運用は成功しません。自分の生活、人生設計に対する責任を投資という形で引き受けるのです」

そのため、彼は投資顧問としてクライアントに対し、「まず自分自身のライフスタイルを理解すること」から始めるよう求めている。支出の傾向、家族構成、収入の安定性——それらがすべて投資判断の土台になるという。

また、「投資教育の重要性」についても強調しており、近年は中高年層を対象としたオンライン講座や、若年層に向けたワークショップなども開催している。「知識があれば、極端な行動を避けることができる。恐怖でも欲望でもなく、理性で判断することが投資家には求められています」

今後の展望:「内需と地政学リスクの交差点に立つ」

最後に、佐藤氏は今後5~10年の世界の経済・市場動向について、次のように語った:

「世界は分断と再編の時代に入りました。グローバルサプライチェーンは再構築され、エネルギー・安全保障をめぐる対立も顕在化しています。しかし、日本にとってはこれはチャンスでもある。内需に根ざした産業や、テクノロジーの自主開発によって、“自立する経済圏”を築く好機が訪れています」

このような視点から、彼は引き続き生活関連セクターへの長期投資を柱としつつ、教育、災害対応、地域経済の活性化といったテーマにも資金を振り向ける意向だ。

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